google-site-verification=tSMQ4FQhFx1RDsDFsOm7hyKcAa8tJgpr-DpePxzfGzM 台風31号の進路。見出しの65m/sは5日先の予報値 | 見出しの手前

台風31号の進路。見出しの65m/sは5日先の予報値

台風31号進路を伝える報道の見出しには「最大瞬間風速/s・中心気圧950hPa」という数字が並びました。この数字は気象庁の発表のどこから取られたのか。原資料の予報表と照らし合わせると、見出しの数字は台風の今の状態ではなく、先予報の最終行の値でした。この記事では、見出しに選ばれた行と落ちた行を並べます。

何が報じられたか

TBS NEWS DIGは10月、RSK山陽放送の配信として「最大瞬間風速/s・中心気圧950hPa予想「台風31号」非常に強い勢力へ…今後の進路、日本への影響は?」という記事を掲載しました。記事の概要文は「台風31号は、マーシャル諸島をゆっくりと西へ進んでいます」と書き出し、気象庁発表のの実況を表で示す構成になっています。

同じサイトには、同じ台風について気象庁発表を元にした記事もあり、その見出しは「最大瞬間風速/s・中心気圧955hPa、非常に強い勢力に発達予想」でした。半日あまりの間に、見出しの数字が予報の更新に合わせて動いています。

原典に当たる

一次情報は気象庁の台風情報です。本記事では、気象庁防災情報サイトが公開している台風31号諸元データを取得しました。取得できたのは10月発表の版で、見出しの元になった発表の版そのものではありません。この点は後で「分からなかったこと」に書きます。

発表の内容は次のとおりです。の実況は、中心気圧996hPa、中心付近の最大風速/s、最大瞬間風速/s、位置は北緯11.2度・東経165.4度のマーシャル諸島で、北西へ時速15kmで進んでいます。種別は台風で、強さと大きさの階級は「-」です。

予報は刻みで先まで出ています。後980hPa・最大瞬間風速/sで「強い」、後は970hPa・/s、後は960hPa・/sでほとんど停滞、後955hPa・/sでウェーク島近海に進み「非常に強い」、後950hPa・最大風速/s・最大瞬間風速/sで南鳥島近海、という並びです。

数字の読み方も気象庁の解説ページで確認しました。最大風速は間平均の風速です。強さの階級は最大風速で決まり、「強い」は/s以上/s未満、「非常に強い」は/s以上/s未満、「猛烈な」は/s以上です。予報円は「予報した時刻に、この円内に台風の中心が入る確率は70%」と定義されています。予報円の半径は、発表で後が95km、後が300km、後が460kmです。気象庁は先までの予報をごとに発表するとしており、それより先の予報は台風情報には含まれません。

報道との差分

見出しの数字と予報表の各行を並べると、次のようになります。

時点 中心気圧 最大瞬間風速 強さ 予報円半径
実況 996hPa /s – –
後 980hPa /s 強い 95km
後 960hPa /s 強い 300km
後 950hPa /s 非常に強い 460km
TBS見出し 950hPa /s 非常に強い 記載なし

選択の面では、見出しは予報表の最終行、つまり先の値を取っています。見出しの末尾には「予想」と付いており、予報値であること自体は書かれています。省略の面では、実況の値、その予報が何日後のものかが見出しから落ちています。予報円の半径460kmという不確かさの幅も見出しにはありません。強調の面では、「非常に強い勢力へ」と階級名を前に出し、続けて「日本への影響は?」と問いを置いています。

一方、原資料の後の位置は南鳥島近海で、気象庁の予報はそこで終わっています。先の時点で日本の本州付近に近づくという予報は、取得した資料には含まれていません。

なぜそうなったか

差が生まれる理由は、原資料の形から説明できます。気象庁の台風情報は、実況1行と予報5行からなる表です。見出しの字数に入る数字は1組だけなので、どれか1行を選ぶ必要があります。発達していく台風では、気圧が最も低く風が最も強い行が表の最終行に来ます。「最大」の数字を取ると、自動的に先の値になるという構造です。

更新の頻度も関わっています。気象庁は予報をごとに出すため、速報記事は発表のたびに書き直されます。TBS NEWS DIGでは、発表の版で「/s・955hPa」、発表の版で「/s・950hPa」と、見出しの数字が予報の更新に合わせて変わっていました。見出しに発表時刻を入れる形式は、読者がどの版の数字かを確かめるのを助けています。ただ、その数字が何時間先の値かは、本文の表まで読まないと分かりません。

「日本への影響は?」という問いの形は、この時点の原資料からは答えが出ない問いでもあります。予報が先で終わり、その時点の位置が南鳥島近海だからです。ここから先の進路は、次の発表を待たないと資料からは確認できません。これは記事の書き手の意図を推し量った説明ではありません。予報表の構造と見出しの字数の制約から、同じ選び方が起きやすいという説明です。

分からなかったこと

見出しの元になった気象庁発表の版は取得できませんでした。気象庁のサイトで公開されているのは最新の発表だけで、本記事では発表の版と比べています。見出しの950hPa・/sは、発表の後の値と一致しました。ただ、発表でも同じ行の値だったかどうかは、原資料からは確認できていません。TBS記事の本文全体も取得できず、確認できたのは見出しと概要文と掲載日時です。他社の見出しとは比べていません。

出典

  • 気象庁 防災情報 台風31号諸元データ specifications.json、10月発表 https://www.jma.go.jp/bosai/typhoon/data/TC2637/specifications.json
  • 気象庁 発表中の台風一覧 targetTc.json、10月取得 https://www.jma.go.jp/bosai/typhoon/data/targetTc.json
  • 気象庁「台風の大きさと強さ」 https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/typhoon/html
  • 気象庁「台風情報の種類と表現方法」 https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/typhoon/html
  • TBS NEWS DIG「最大瞬間風速/s・中心気圧950hPa予想…」10月 https://newsdig.tbs.co.jp/articles/gallery/3036072
※本記事は報道・公開情報をもとに作成した速報であり、内容が後に更新・訂正される場合があります。最新かつ正確な情報は、一次情報や公式発表をご確認ください。

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