2026年10月6日、ディスカウントストアのミスターマックスと、交通系ICカード「nimoca」を運営する株式会社ニモカが、それぞれ不正アクセスによる個人情報の流出・漏えいを発表しました。
日テレNEWS NNN(FBS福岡放送)はこの2件を1本の見出しにまとめています。
この記事では、両社の発表文と各社の見出しを並べ、どの数字がどう運ばれたかを確認します。
何が報じられたか
日テレNEWS NNNの見出しは「ミスターマックスで最大173万人分」「ニモカで521枚分」の2つの数字を並べ、「不正アクセスで狙われる個人情報」と結んでいます。
同じ日にNHK、RKB毎日放送、ITmedia NEWS、流通ニュースもそれぞれ報じました。
発表元は2社です。
ミスターマックスは自社サイトに「不正アクセスによる情報流出に関するお詫びとお知らせ」を、ニモカは「nimoca利用履歴照会サービスへの第三者からの不正アクセス(公開WEBサービスへの攻撃)による情報漏えい」と題したPDFを、いずれも2026年10月6日付で公開しています。
2社の間に資本関係や共通システムがあるとは、どちらの発表文にも書かれていません。
九州に拠点がある2社が同じ日に発表した、という点が共通しているだけです。
原典に当たる
ミスターマックスの発表(2026年10月6日)
対象はMrMaxアプリ会員とオンラインストア会員です。
件数は「最大1,735,154人」と書かれています。
経緯は、10月3日夕方にサーバーへの不審なアクセスを確認し、同日中にサービスを一時停止して外部からのアクセスを遮断、その後の確認で流出が分かったというものです。
原因は「第三者が本サービスを構成するソフトウェアの機能を不正に利用してサーバーに侵入」と説明されています。
流出した項目は会員ID、氏名、メールアドレス、電話番号で、登録状況によって人ごとに異なるとしています。
住所、生年月日、クレジットカード情報、パスワード、購入履歴は流出していないと明記されています。
対応としては、個人情報保護委員会への報告、警察への相談、外部専門機関による調査、監視体制の強化が挙げられています。
ニモカの発表(2026年10月6日)
対象はnimocaの利用履歴照会サービスで、発生日時は10月4日0時頃から、サービスを止めた同日17時40分までです。
発覚のきっかけは、同日9時頃に利用者からコールセンターへ「身に覚えのないメールが届いた」と問い合わせがあったことでした。
発表文によると、第三者の不正アクセスによって、サービスに登録されたメールアドレス宛てに、登録情報の一部を含むメールが送られていました。
このメールはサービスが利用者の入力に応じて自動で送るもので、情報を不正に取得した第三者が送ったものではないとしています。
件数は「521件」です。
漏えいした項目は、nimocaのカード番号(裏面のNRで始まる17桁の英数字)、生年月日、登録メールアドレスの3つです。
氏名、住所、電話番号、性別、利用履歴の漏えいは確認できていないとしています。
他のシステムやデータベースへの不正アクセスは確認されておらず、カード自体は通常どおり使えます。
原因は調査中です。
報道との差分
原資料と見出しを並べると、次の3点で差が出ています。
| 項目 |
原資料 |
見出し・リード |
| ミスターマックスの件数 |
最大1,735,154人 |
日テレ「最大173万人分」/NHK「最大170万人超」/流通ニュース「最大173万人」 |
| ニモカの件数の単位 |
521件 |
日テレ「521枚分」/RKB・ITmedia「521件」 |
| 2件の関係 |
別会社・別システム・別の手口 |
日テレ・RKBは1本の見出しに併記 |
1つ目は丸め方です。
173万5154人を「173万人」と切り捨てるか「170万人超」とさらに丸めるかの差で、どちらも原資料の範囲内に収まっています。
「最大」という限定語は、確認できた範囲では各社とも残していました。
2つ目は単位です。
ニモカの発表文は「件」と書いており、「枚」という単位は使っていません。
漏えいした項目にカード番号が入っているため、1件を1枚と読み替えたと考えられますが、1件が1枚に当たるのか、1人が複数のカードを登録している場合にどう数えたのかは、発表文からは確認できません。
3つ目は並べ方です。
173万と521では桁が3つ以上違い、流出した項目も手口も異なります。
ミスターマックスはサーバーへの侵入、ニモカは照会サービスの自動送信メールを悪用されたものです。
見出しで並べると2件は「同じ種類の被害」に見えますが、原資料どうしを比べると共通点は「発表日」と「不正アクセス」という言葉だけでした。
なぜそうなったか
2件の併記は、配信元が福岡の放送局だったことと関係していると読めます。
日テレNEWS NNNの記事URLには「fbs」が含まれ、Yahoo!ニュースへの転載元もFBS福岡放送です。
ミスターマックスは九州を地盤とする小売、nimocaは西日本鉄道の100%子会社が運営する福岡のICカードで、どちらも同じ放送エリアの視聴者に関係が深い会社です。
同日に地元の2社が発表すれば、1本にまとめるのは紙面や放送枠の制約からみて自然な処理です。
RKB毎日放送も同じ組み合わせで見出しを立てていました。
一方、全国向けのNHKや、業界向けの流通ニュース、IT系のITmedia NEWSは、どちらか1件だけを扱っています。
「枚」という単位は、ICカードという物に引き寄せた表現と考えられます。
読者が手元のカードを思い浮かべやすい単位ですが、発表文の数え方とは別物です。
資料からは確認できないものの、521件が521人なのか521枚なのかで、利用者が受け取る印象は変わります。
ミスターマックスの「最大」も読み方に注意が要ります。
流通ニュースは、対象を「10月3日時点で会員登録している人」と書いています。
この記述が正しければ、173万5154人は実際に持ち出された人数を数えたものではなく、可能性がある範囲の上限として登録会員全体を置いた数字です。
原資料の「最大」という語はこの性質を示しており、見出しに残った「最大」の2文字が、数字の意味を担っています。
分からなかったこと
日テレNEWS NNNの記事本文は取得できず、見出し以外の書き方は確認できていません。
本文中で「件」と「枚」のどちらを使っているかも未確認です。
ミスターマックスの発表文にある問い合わせ先の詳細は、画像で掲載されていたため転記していません。
「10月3日時点の登録会員が対象」という記述は流通ニュースで確認したもので、発表文の該当箇所は取得したテキストからは確認できませんでした。
ニモカの521件がカード単位か人単位か、原因が何だったかは、発表時点では公表されていません。
出典
- ミスターマックス「不正アクセスによる情報流出に関するお詫びとお知らせ」2026年10月6日 https://www.mrmax.co.jp/info/incident_20261006/
- 株式会社ニモカ「nimoca利用履歴照会サービスへの第三者からの不正アクセス(公開WEBサービスへの攻撃)による情報漏えい」2026年10月6日 https://www.nimoca.jp/storage/files/information/107/20261006.pdf
- 日テレNEWS NNN(FBS福岡放送)2026年10月6日 https://news.ntv.co.jp/n/fbs/category/society/fs8a1169e8e369498f883148cf6955629b
- NHK「ミスターマックスで不正アクセス 個人情報最大170万人超流出か」2026年10月6日 https://news.web.nhk/newsweb/na/nd-20261006de55099
- 流通ニュース「ミスターマックス/不正アクセス受け最大173万人の会員情報が流出」2026年10月6日 https://www.ryutsuu.biz/strategy/s100648.html
- RKB毎日放送(Yahoo!ニュース転載)2026年10月6日 https://news.yahoo.co.jp/articles/117625c2386ac5ab5d4d49738271eb6851c8a615
- ITmedia NEWS「交通系IC「nimoca」ユーザー情報521件流出」2026年10月6日 https://www.itmedia.co.jp/news/article/2610/06/2000002047/
※本記事は報道・公開情報をもとに作成した速報であり、内容が後に更新・訂正される場合があります。
最新かつ正確な情報は、一次情報や公式発表をご確認ください。
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