google-site-verification=tSMQ4FQhFx1RDsDFsOm7hyKcAa8tJgpr-DpePxzfGzM FIFAランキング「順位変動」は公式発表前のライブ試算だった | 見出しの手前

FIFAランキング「順位変動」は公式発表前のライブ試算だった

9月、いう見出しの記事がdメニューニュースに配信されました。ただ、FIFAが最後に公式ランキングを発表したのは7月で、次回の発表は10月の予定です。記事の順位とポイントは、FIFAの算出式に9月の試合結果を当てはめた非公式のライブ試算でした。本記事では、記事の数字がどこから来たのかを公式発表の値と並べて確認します。

何が報じられたか

フットボールチャンネルが配信し、dメニューニュースに転載された9月付の記事の要旨は次のとおりです。クロアチアがUEFAネーションズリーグでチェコにで勝ち、12位に上がりました。ドイツは13位に下がりました。日本代表は17位で1678.30ポイントです。15位のイタリアはベルギーにで敗れて6.45ポイントを失い、1698.29ポイントになりました。日本との差は26.44ポイントから19.99ポイントに縮まっています。16位のアメリカはペルーにで勝って2.91ポイントを加え、1693.24ポイントになりました。日本との差は12.03ポイントから14.94ポイントに広がっています。

記事は、これらの数字を順位として示しています。ただし見出しのだけを読むと、FIFAが新しいランキングを発表したように受け取れます。この点が本記事で確かめる対象です。

原典に当たる

FIFAの男子世界ランキングの公式ページには、9月時点で表示されています。同じページには、国際Aマッチの扱いから外れた試合はランキングの計算に入らないこと、公式の試合期間の外で行われた試合はその期間が終わるまで反映されないことも書かれています。つまり9月の試合結果は、10月の発表まで公式の数字になりません。

算出方式について、FIFAの手続き説明ページには、FIFA評議会の承認を受けて8月から新しいモデルが使われていること、そのモデルは試合ごとに得失したポイントを前回の合計に足し引きするため呼ばれることが書かれています。式の細部はFIFAのPDF文書「Revision of the FIFA/Coca-Cola World Ranking」に載っていますが、本記事ではその文書を直接開けていません。英語版ウィキペディアはこの文書を出典として、次の内容を示しています。

試合後のポイントは計算します。Wは試合結果で、勝ちが1、引き分けとPK戦負けが0.5、PK戦勝ちが0.75、負けが0です。Weは期待される勝率で、両国の試合前のポイント差をΔとして求めます。Iは試合の重みで、国際Aマッチ期間外の親善試合が5、期間内の親善試合が10、ネーションズリーグのリーグフェーズが15、同じくプレーオフや決勝ラウンドと各大陸予選が25、ワールドカップ本大会の準々決勝より前が50、準々決勝以降が60です。大陸選手権やワールドカップのノックアウトラウンドで負けても、ポイントは引かれません。

この式が公開されているため、第三者でも試合結果さえ分かれば、公式発表の前に新しいポイントを計算できます。football-ranking.comのように掲げ、毎日更新する非公式サイトがあるのはこのためです。同サイトは自らがFIFAの公式発表ではないことを前提に運営されています。

報道との差分

7月の公式発表の値、9月付記事のライブ値を並べます。

国 7月 公式 9月 記事 差
ドイツ 12位 1726.22 13位 ―
クロアチア 13位 1723.05 12位 ―
イタリア 15位 1704.73 15位 1698.29 −6.44
アメリカ 16位 1690.33 16位 1693.24 +2.91
日本 17位 1673.68 17位 1678.30 +4.62

記事がして挙げた数字も確認します。日本とアメリカの差12.03は、公式のアメリカ1690.33から記事の日本1678.30を引いた値と一致します。日本とイタリアの差26.44も、公式のイタリア1704.73から日本1678.30を引いた26.43と、小数第2位の丸めを除いて一致します。つまり記事の、7月の公式値同士の差ではありません。日本の数字だけはすでに9月の試合を反映したライブ値で、相手国の数字はその試合前の公式値です。ちなみに公式値同士で比べると、7月時点の日本とイタリアの差は31.05、日本とアメリカの差は16.65です。

クロアチアとドイツの差は、公式発表の時点で3.17ポイントでした。この程度の差なら、ネーションズリーグの1勝で順位が入れ替わってもおかしくありません。

なぜそうなったか

見出しと原典の間に差が生まれる原因は、資料の構造から3つ挙げられます。

1つ目は、公式発表の間隔が長いことです。7月の次は10月で、この間には2か月半あります。9月の国際Aマッチ期間の試合は行われても、公式の数字には反映されていません。その空白を式の公開性が埋めています。式と試合結果さえあれば誰でも計算できるので、ライブ試算の数字が先に出回ります。見出しの、この試算上の変動を指しています。

2つ目は、試算の前提が1つずつ違うことです。記事のイタリアの値は、7月の公式値から6.45を引いた1698.28とほぼ一致し、アメリカは公式値に2.91を足した値と一致します。一方で日本の+4.62は、記事の抜き出した範囲からはどの試合によるものか分かりませんでした。複数の国が異なる日に試合をする中で、ある時点での並べると、比べている時点が国ごとにずれやすくなります。前の節で見た公式値同士の差になっていなかったのは、この構造によるものです。

3つ目は、ライブ値が公式値と一致する保証がないことです。FIFAの公式ページによれば、国際Aマッチの扱いから外れた試合は計算に入りません。試合区分判定もFIFA側が行います。参考までに、アメリカの+2.91をI=10逆算すると、アメリカのポイントがペルーより約230高かったことになります。I=5で逆算すると、アメリカのほうが下だったことになり、アメリカが16位である事実と合いません。資料からは確認できませんが、記事の試算はこの試合をI=10として扱ったものとみられます。試算を行う側が区分をどう判定したかで、値は変わり得ます。

なお、非公式サイトfootball-ranking.comを9月に確認したところ、ドイツ1726.22、クロアチア1723.05、イタリア1704.73、アメリカ1690.33と7月の公式値と同じ数字が並ぶ一方、日本だけは1678.31表示されていました。記事とは順位の並びも違います。ライブ試算は、どのサイトをいつ見たかで数字が変わります。

分からなかったこと

記事の数字をどのライブ試算サイトから取ったのかは、確認した範囲では特定できませんでした。日本の+4.62がどの試合によるものか、クロアチアとドイツの9月の具体的なポイントも記事からは辿れていません。算出式の細部はFIFAのPDF文書を直接開けず、英語版ウィキペディアの記述で確認しています。イタリア対ベルギー、アメリカ対ペルー、クロアチア対チェコの試合日と会場は確認できていません。これらが公式にどう反映されるかは、10月の公式発表で確かめる必要があります。

出典

  • FIFA(最終公式更新7月・次回10月の表示、9月閲覧) https://inside.fifa.com/fifa-world-ranking/men
  • FIFA https://inside.fifa.com/fifa-world-ranking/procedure-men
  • J SPORTS https://www.jsports.co.jp/football/fifa/football_men_ranking/
  • サッカーキング https://www.soccer-king.jp/news/japan/national/20260720/1876817.html
  • フットボールチャンネル https://topics.smt.docomo.ne.jp/article/footballchannel/sports/footballchannel-1020393
  • football-ranking.com https://football-ranking.com/fifa-world-rankings
  • Wikipedia https://en.wikipedia.org/wiki/FIFA_Men%27s_World_Ranking
※本記事は報道・公開情報をもとに作成した速報であり、内容が後に更新・訂正される場合があります。最新かつ正確な情報は、一次情報や公式発表をご確認ください。

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