google-site-verification=tSMQ4FQhFx1RDsDFsOm7hyKcAa8tJgpr-DpePxzfGzM 後藤大樹47秒93、各社の見出しは何を足したか | 見出しの手前

後藤大樹47秒93、各社の見出しは何を足したか

9月、名古屋アジア大会の陸上男子ハードル決勝で、17歳の後藤大樹選手銀メダルを取りました。同じ47秒93という1つの記録から、各社はそれぞれ違う見出しを作っています。この記事では、見出しに入った比較の軸を一次資料と突き合わせ、どの数字が資料で確かめられ、どれが確かめられなかったかを分けて示します。

何が報じられたか

9月半ごろ、複数の媒体がこの結果を配信しました。各社の本文を突き合わせると、共通している事実は次のとおりです。

  • 大会:第アジア競技大会陸上競技、男子ハードル決勝
  • 後藤大樹選手:47秒93で2位
  • 優勝:バセム・ヘメイダ選手47秒82
  • 黒川和樹選手:49秒41で6位

月刊陸上競技とTHE ANSWERの本文は、47秒93を日本歴代2位タイとし、日本記録の47秒89まであと0秒04だったと書いています。THE ANSWERの本文は、タイの相手を成迫健児選手としています。

原典に当たる

見出しと本文に出てくる比較の軸は、おおむね3つです。日本記録との差、日本歴代順位、年齢です。それぞれを一次資料で確認しました。

まず日本歴代順位です。日本陸上競技連盟9月に公開した記事には、男子ハードルの日本歴代10傑が載っています。上位3つは、1位が47秒89、2位が47秒93、3位が47秒99です。この表の時点で47秒93は単独2位でした。今回の47秒93はこの記録と同じタイムなので、日本歴代2位タイという表現は、日本陸連の表と一致します。日本記録47秒89がのエドモントン世界選手権で出たことも、同じ記事に書かれています。

次に自己記録です。世界陸連選手ページには、後藤選手のハードルの自己ベストとして48秒09が載っています。記録日は6月、会場は彦根です。この記録にはU18世界最高と、アジアU20記録・日本U20記録の区分が付いています。日本陸連の10傑に当てはめると、48秒09は47秒99と48秒26の間に入ります。6月時点で日本歴代4位だったという報道とも合います。なお、世界陸連のページは確認した時点で今回の47秒93をまだ反映していませんでした。

48秒09から47秒93への伸びは0秒16です。日本記録47秒89との差は0秒04です。どちらも上の資料の数字から計算で確かめられます。

最後に年齢です。世界陸連のページの生年月日は5月です。決勝の日には17歳4か月だったことになり、各社が書いた17歳と一致します。

月刊陸上競技の6月の記事によると、後藤選手は日本選手権の予選で48秒31を出しています。これは高校生で初めて49秒を切った記録でした。同じ記事は、為末選手がに出した高校記録を49秒09としています。後藤選手の記録は、この数か月で段階的に伸びてきたことになります。

報道との差分

同じ記録に対し、各社が見出しで前に出した軸を並べます。

媒体 見出しの軸 見出しの表現 一次資料での確認
TBS NEWS DIG 年齢・史上初 年齢は世界陸連で確認済み。最年少の比較対象は確認できず
月刊陸上競技 国際大会の参加資格 参加標準記録の値は世界陸連の文書で確認できず
スポーツニッポン 日本記録との差 見出しの47秒92は本文の47秒93と食い違う
THE ANSWER 評価・人物像 評価語のため照合の対象外
THE ANSWER 別種目との比較 比較の方法は本文でしか辿れない

目立つ差は2点あります。

1点目はスポーツニッポンの見出しです。Yahoo!ニュースに配信された見出しは47秒92で、本文は47秒93です。見出しの47秒92に0秒04を足すと47秒96になり、日本記録47秒89にはなりません。本文の47秒93に基づけば差はちょうど0秒04です。数字の関係から見ると、見出しの47秒92が本文と食い違っていると考えられます。

2点目は、TBS NEWS DIGの見出しにある日本勢史上最年少です。この表現は比較の範囲を示していません。この種目か、陸上競技全体か、アジア大会の全競技か、という範囲です。今回確認した資料には、アジア大会の陸上で表彰台に上った日本選手の年齢を並べたものがありませんでした。この表現が正しいかどうかは、この記事では判定できません。

なぜそうなったか

各社の見出しの違いは、同じ記録をどの基準に当てて測ったかの違いとして整理できます。意図は資料から読み取れないため、ここでは見出しの構造だけを扱います。

47秒93という数字だけでは、陸上に詳しくない読者には意味が伝わりにくいです。そこで各社は比較の基準を1つ足しています。日本記録との差、選手の年齢、次の世界大会の参加資格、別の種目の順位です。どの基準を選ぶかで、同じ記録が届く相手が変わります。

基準によって、一次資料で確かめやすいかどうかにも差があります。日本歴代順位と日本記録との差は、日本陸連が歴代リストを公開しているため誰でも照合できます。年齢も世界陸連の生年月日から計算できます。これに対し、史上最年少や参加標準の突破は、別の名簿や規程文書を参照しないと確かめられません。見出しが短いほど、その参照先は省かれます。

スポーツニッポンの数字の食い違いは、速報の制作の流れで起きうる種類のものです。記録の配信と見出しの作成が別々に進むと、ずれが残ることがあります。ただ、この社で実際にどう起きたかは資料からは確認できません。確認できるのは、見出しと本文の数字が合わないという事実だけです。

今回確認した範囲では、どの社も記録そのもの本文で取り違えてはいませんでした。差が出たのは、記録に添えた比較の基準と、見出しに圧縮する段階でした。

分からなかったこと

大会組織委員会やアジア陸上競技連盟の公式リザルトには、取得の時点でたどり着けませんでした。そのため、47秒93・47秒82・49秒41は報道各社の本文の数字で、公式の記録表とは照合できていません。月刊陸上競技の見出しにある北京世界選手権の参加標準記録は、世界陸連の参加資格の文書で値を確認できませんでした。TBS NEWS DIGの記事本文は取得できず、見出しの範囲でしか比べていません。日本勢史上最年少の根拠になった名簿も確認できていません。成迫選手の47秒93の記録日も、日本陸連の資料では確認できていません。

出典

  • World Athleticshttps://worldathletics.org/athletes/japan/taijyu-goto-15181238
  • 日本陸上競技連盟9月https://www.jaaf.or.jp/news/article/22512/
  • 月刊陸上競技6月 https://www.rikujyokyogi.co.jp/archives/209601
  • TBS NEWS DIG「男子Hで17歳・後藤大樹が日本歴代2位タイの47秒93で銀メダル…」9月 https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/2970196
  • 月刊陸上競技9月 https://news.yahoo.co.jp/articles/7d95e43e16ed6a66c5a8f7184443cb65850aacde
  • スポーツニッポン「17歳・後藤大樹が銀メダル 47秒92で日本新記録まであと0秒04」9月 https://news.yahoo.co.jp/articles/62d567431b8f2b131b88d04b4e36e380598dc93e
  • THE ANSWER9月 https://news.yahoo.co.jp/articles/43bf6dad56052c86a366600a1c0eb81848101d12
  • THE ANSWER9月 https://news.yahoo.co.jp/articles/1682ae084279a3678d1c898ed6e394c29bd98d28
※本記事は報道・公開情報をもとに作成した速報であり、内容が後に更新・訂正される場合があります。最新かつ正確な情報は、一次情報や公式発表をご確認ください。

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