google-site-verification=tSMQ4FQhFx1RDsDFsOm7hyKcAa8tJgpr-DpePxzfGzM 米国債の実質金利2.95%、上昇分の中身を原典で分解 | 見出しの手前

米国債の実質金利2.95%、上昇分の中身を原典で分解

From above of small American flag placed on stack of 20 dollar bills as national currency for business financial operations バズ

四季報オンラインにいう見出しの記事が出ました。本稿では、この見出しにある、米国債利回りの原データで確かめます。記事本文は閲覧環境の制約で取得できませんでした。そのため、記事がどの数字を使ったかは特定していません。検証するのは見出しの言葉と原データの対応だけです。

何が報じられたか

報道として確認できたのは、東洋経済新報社の会社四季報オンラインに載った上の見出しと記事URLだけです。本文を取りに行くと、Cookie設定を求める画面が返ってきました。ページのタイトル情報はサイト共通の名称で、記事説明文の欄は空でした。

このため、記事が実質金利をどの指標で測ったのか、どの期間を比べて書いたのかは分かっていません。米国のして市場でよく参照されるのは、物価連動国債利回りです。本稿はこの系列を検証の軸にします。ただし、記事が同じ系列を使ったかどうかは資料からは確認できません。

原典に当たる

米連邦準備制度理事会、金利統計H.15脚注10で、物価連動の利回りを「満期一定に調整したTIPSの利回り。出所は米財務省」と定義しています。同じ資料の説明欄には、この利回りが店頭市場のTIPSの日次イールドカーブから補間して求めた値だと書かれています。つまり、発行済みのTIPSのうち満期がちょうどの銘柄の利回りではありません。財務省が引いた曲線からの点を読み取った値です。

セントルイス連銀のデータベースFREDは、この値を系列DFII10として公開しています。単位は%、頻度は日次、季節調整はありません。データは1月から始まっていて、10月までに分の観測値があります。

あわせて2つの系列を見ます。1つは、物価連動ではない通常の国債利回りです。もう1つは、名目から実質を差し引いた期待インフレ率です。T10YIEはFREDが2系列の差として計算して出している値で、財務省やFRBが直接公表しているものではありません。

報道との差分

いう言葉が原データのどの動きに当たるかを並べます。数値はすべてFREDのDFII10・DGS10・T10YIEの日次値です。

  • 2月:実質金利1.72%
  • 6月:2.20%
  • 8月:2.44%
  • 9月:2.93%
  • 10月:2.95%
  • 10月:2.87%

8月末から9月末までの1か月で、実質金利は0.49ポイント上がりました。2月末の最低値と比べると、10月には1.23ポイント上です。

長い期間で見ると、2.95%以上の値が最後に付いたのは11月です。11月には3.15%を付けています。それ以降、10月までの日次値はも2.95%に届いていません。の最高は10月の2.52%でした。

上昇の中身を分けます。9月から10月までの約1か月で、各系列はこう動きました。

  • 名目利回り:4.77%→5.31%
  • 実質利回り:2.42%→2.95%
  • 期待インフレ率:2.35%→2.36%

同じ期間に名目利回りが0.54ポイント上がり、そのうち0.53ポイントは実質金利の上昇でした。期待インフレ率はほとんど動いていません。期待インフレ率は10月に2.35%、10月には2.33%です。

なぜそうなったか

データから言えるのは、この秋の米国債利回りの上昇は、インフレ予想が強まったからではなく、実質金利が上がったことでほぼ説明できる、という点です。見出しがでなく主語にしたことは、この内訳と合っています。

いう言葉が強すぎるかどうかは、比べる期間で変わります。ごとの変化では、9月下旬以降はの間を上下していて、一方向に跳ね上がる動きではありません。これに対して、月単位で見ると0.5ポイント近い上昇で、以来の水準に届いています。見出しの言葉は、後の物差しに立てば原データと食い違いません。

実質金利がなぜ上がったのかは、本稿の資料からは確認できません。金融政策の見通し、国債の需給、財政への見方など候補はいくつも考えられますが、H.15とFREDの系列は示すだけで、理由は書かれていません。記事本文がどの要因を挙げたかも取得できていないため、要因の比較はしていません。

読むときに注意したい点が2つあります。1つ目は、実質金利という言葉の幅です。TIPS利回りは市場で付いた値で、政策金利から足元の物価上昇率を引く計算とは別物です。記事がどちらを使ったかで水準も動きも変わります。2つ目は、TIPSの利回りは補間値だという点です。TIPSは通常の国債より取引量が少なく、曲線の引き方が値に影響しうる構造になっています。

分からなかったこと

四季報オンラインの記事本文が取得できなかったため、記事が使った指標、期間、数字、挙げた要因はどれも確認できていません。本稿の差分は、見出しの言葉と原データの比較に限られます。記事が政策金利から物価上昇率を引く方式など別の定義を使っていた場合、本稿の数字とは合わない可能性があります。実質金利の上昇要因についても、一次資料で裏付けられる説明には辿り着けませんでした。財務省の実質イールドカーブの算出方法の詳細ページも、今回は取得できていません。

出典

  • 米連邦準備制度理事会10月公表 脚注9・10および説明欄 https://www.federalreserve.gov/releases/h15/
  • セントルイス連銀 FRED「Market Yield on U.S. Treasury Securities at 10-Year Constant Maturity, Quoted on an Investment Basis, Inflation-Indexed 」1月10月 日次 https://fred.stlouisfed.org/series/DFII10
  • セントルイス連銀 FRED「Market Yield on U.S. Treasury Securities at 10-Year Constant Maturity 」日次 https://fred.stlouisfed.org/series/DGS10
  • セントルイス連銀 FRED「10-Year Breakeven Inflation Rate 」日次 https://fred.stlouisfed.org/series/T10YIE
  • 会社四季報オンライン https://shikiho.toyokeizai.net/news/0/960716
※本記事は報道・公開情報をもとに作成した速報であり、内容が後に更新・訂正される場合があります。最新かつ正確な情報は、一次情報や公式発表をご確認ください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました