google-site-verification=tSMQ4FQhFx1RDsDFsOm7hyKcAa8tJgpr-DpePxzfGzM レイズ本拠地の天井「200回」は何を数えたか | 見出しの手前

レイズ本拠地の天井「200回」は何を数えたか

ワールドシリーズ第3戦の舞台が、レイズの本拠地トロピカーナフィールドに移りました。MLB.com日本語版は、ブルワーズが天井に当たる打球への対策練習をしたと伝え、その裏付けとして「フェアの打球がキャットウォークに当たったケースは」という数字を挙げています。この記事では、その数字とルールの説明を、球場の公式グラウンドルールとMLB.com英語版の元記事に並べ、日本語の見出しに届くまでに何が残り、何が落ちたかを確かめます。

何が報じられたか

MLB.com日本語版は10月付で「ブルワーズ、敵地の「天井フライ」対策」という見出しの記事を掲載しました。記事によると、ブルワーズはトロピカーナフィールドでのフィールド練習で、コーチがピッチングマシンで天井に向けて打球を上げ、野手が跳ね返りに対応する練習をしました。記事冒頭には10月に投稿された練習動画が埋め込まれています。

記事はトロピカーナフィールドのキャットウォークルールを説明したうえで、レイズのメディアガイドを出典に、シーズン開幕までにフェアの打球がキャットウォークに当たったケースがあると書いています。

シリーズの状況は、地元局FOX13の10月付記事で確認できます。ブルワーズが第2戦を5対4で勝って2勝0敗とし、第3戦は10月午後開始、第3・4戦と必要な場合の第5戦がトロピカーナフィールドで行われる日程です。

原典に当たる

ルールの原典は、MLB.comのレイズ公式サイトに掲載された「Tropicana Field Ground Rules」です。キャットウォーク、照明、吊り下げ物についての規定は次の4つに分かれています。

  • 下のの通路当たった打球は本塁打。通路に取り付けられた照明や吊り下げ物、Cリングと、Dリングを支えるマストとをつなぐ斜めの支持ロッドに当たった場合も含む
  • 上のの通路当たった打球はインプレー。各通路を支えるマストや、BリングとCリングのマストをつなぐ斜めの支持ロッドも含む。野手が捕れば打者アウトで、走者は自己責任で進塁できる
  • 本塁打と判定されず、通路・照明・吊り下げ物の上にとどまった打球は2つの塁を与える
  • ファウル地域の上空で通路・照明・吊り下げ物に当たった打球はボールデッド

次に、という数字です。日本語版が出典に挙げたレイズのメディアガイドそのものには、今回たどり着けませんでした。数字の直前の形が確認できるのは、MLB.com英語版が10月に掲載した記事「Meet the true X-factors in this World Series: The roofs」です。英語版は、メディアガイドによればシーズン開幕の時点でのフェアの打球がキャットウォークに当たっていた、と書いています。

英語版の文言は「フェアの打球がキャットウォークに当たった数」で、リングの区別がありません。公式ルールではCリングとDリングに当たったフェアの打球はすべて本塁打になるので、この数え方には定義上、本塁打になった打球も入ります。一方で、ブルワーズが練習した「跳ね返った打球を捕る」場面が起こりうるのはAリングとBリングだけです。のうち何本が上のに当たったのかは、英語版にも日本語版にも書かれていません。

英語版には、もう1つ数字があります。ポストシーズンでキャットウォークに当たったフェアの打球はで、とも本塁打だった、最も新しいものはのア・リーグ地区シリーズ第1戦でネルソン・クルーズ選手がCリングに当てた打球だ、という記述です。

報道との差分

公式ルール、英語版、日本語版3つを並べます。

項目 公式グラウンドルール 英語版 日本語版
本塁打になる範囲 C・Dリングと、付属の照明・吊り下げ物・支持ロッド 下ののリング 下部のC・Dリング
インプレーになる範囲 A・Bリングと、マスト・支持ロッド。捕球なら打者アウト 上ののリング 上部のA・Bリング
通路上にとどまった打球 本塁打でない打球が通路・照明・吊り下げ物にとどまれば2つの塁 上のにとどまればエンタイトル二塁打 A・Bリングにとどまればエンタイトル二塁打
の数字 開幕時点・フェアの打球・メディアガイド出典 開幕までに・メディアガイド出典
ポストシーズン・全て本塁打 – あり なし
ブルワーズ本拠地での前例 – フェア地域で確認できるのは3例 「まだ限られている」
球場の経緯 – ハリケーン・ミルトンで屋根が壊れ全面修復、レイズは1シーズンを別球場で屋外開催 なし

選択の面では、日本語版は英語版のルール説明と200という数字を残し、練習の様子と監督のコメントを中心に組み直しています。省略の面では、ポストシーズンのが全て本塁打だったこと、ブルワーズ本拠地の前例が3例と数えられていること、球場が修復を経ていることが落ちています。公式ルールにある照明・吊り下げ物・支持ロッドの扱いは、英語版の段階ですでに落ちています。

強調の面では、日本語版は200という数字を「天井の構造が試合の行方を左右することも珍しくない」という文の根拠として置いています。ただ前の節で見たとおり、には本塁打も入るため、この数字は「跳ね返った打球を捕る場面がどれだけあったか」を示してはいません。

もう1点、日本語版は末尾で「世界一への王手をかけた大一番」と書いています。FOX13の記事は、第3戦の時点でブルワーズは2勝0敗で、第3戦に敗れればレイズは「ミルウォーキーを初優勝まであと1勝にさせる」と書いています。つまり第3戦の時点では、まだ王手の手前です。

なぜそうなったか

差分の多くは、記事の組み立ての違いで説明できます。英語版は「両球場の屋根が勝負を分ける要素になりうる」という主題で、両方の球場のルールを条文の引用つきで解説する構成です。そのため前例の数や、ポストシーズンでは全て本塁打だったという補足が入ります。日本語版は練習動画を入口にした記事で、主題は「ブルワーズがどう備えたか」です。この構成では、練習の理由づけになる情報残り、練習の必要性を相対化する情報主題から外れます。

200という数字の使われ方にも、資料の構造が関係しています。メディアガイドの数字はキャットウォークに当たった打球の総数で、リング別の内訳は英語版の記事に載っていません。内訳のない総数を「跳ね返り」の文脈に置くと、数字が実際より狭い意味で読まれます。これは書き手の意図とは関係なく、総数しか手元にない時に起こりやすいずれです。

照明・吊り下げ物・支持ロッドの扱いは、10月のALDS第2戦の記事が引用したレイズ側の要約文の段階ですでに含まれていません。英語版の説明はこの要約文とほぼ同じ内容ですが、どの文を参照したかは資料からは確認できません。

分からなかったこと

レイズのメディアガイドの原本を取得できず、の数え方確認できていません。ポストシーズンの数字の出どころも英語版の文面からは分かりません。日本語版にある「ブルワーズは以来トロピカーナフィールドでプレーしていない」という記述と、第1戦の点差は、原資料で確かめられていません。屋根の損傷と別球場での開催も英語版の記述のみで、レイズの発表には当たれていません。

出典

  • Tampa Bay Rays「Tropicana Field Ground Rules」 https://www.mlb.com/rays/ballpark/information/ground-rules
  • MLB.com英語版「Meet the true X-factors in this World Series: The roofs」10月 https://www.mlb.com/brewers/news/ground-rules-for-roofs-rays-brewers-world-series
  • MLB.com英語版「Another playoff roof ball?! Rays record out after Jones’ fly dings Trop catwalk」10月 https://www.mlb.com/tigers/news/victor-mesa-jr-catches-fly-ball-tropicana-field-roof-alds-game-2
  • MLB.com日本語版「ブルワーズ、敵地の「天井フライ」対策 WS第3戦へ異例の練習」10月 https://www.mlb.com/ja/news/brewers-practice-plays-off-tropicana-field-roof
  • FOX13 Tampa Bay「Rays return to Tampa Bay down in World Series: What fans need to know for Game 3」10月 https://www.fox13news.com/news/rays-return-tampa-bay-down--world-series-what-fans-need-know-game-3
※本記事は報道・公開情報をもとに作成した速報であり、内容が後に更新・訂正される場合があります。最新かつ正確な情報は、一次情報や公式発表をご確認ください。

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