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パキスタン対スリランカT20I、不在の2人はODIにいた

A man proudly waving the Sri Lankan flag outdoors under a clear sky. バズ

パキスタン対スリランカのT20I3連戦について、AFP通信は「スター選手を欠いた新しい組み合わせ」という切り口で報じました。この記事では、その報道をパキスタン・クリケット評議会スリランカ・クリケット代表発表と突き合わせます。記事が触れた「不在」のうち2人は、同じ発表の中で別の大会の代表に入っていました。ほかにも、報道だけで読むと見えにくくなる点が3つあります。

何が報じられたか

France 24は10月付で、AFP配信の記事を掲載しました。見出しは、パキスタンの新主将サヒブザダ・ファルハンが「新しい組み合わせ」の機能に期待している、という内容です。リードには「ババル・アザムとシャヒーン・シャー・アフリディ抜き」とあり、シリーズは金曜日にラワルピンディで始まると書かれています。残り2試合は10月とで、会場は同じくラワルピンディです。

本文では、元T20I主将のサルマン・アガとウィケットキーパー兼打者のムハンマド・リズワンも代表にいないと述べています。スリランカ側については、レッグスピナーのワニンドゥ・ハサランガと元主将のチャリス・アサランカが「外れた」と書いています。ハサランガの記録は「101試合で163ウィケット、T20I歴代5位タイ」と紹介されています。アフリディについては、10月にラワルピンディで始まるイングランド・スリランカとのODI3か国シリーズで主将を務めると添えています。

原典に当たる

代表発表の一次資料はPCBとSLCの発表です。PCB公式サイトの発表文そのものは、今回は取得できませんでした。そのため、発表をほぼそのまま伝えている3つの媒体を照合しました。国際クリケット評議会公式サイトの10月付記事、パキスタンの英字紙The Newsの同日付記事、国営ラジオ・パキスタンの10月付記事です。3媒体の内容は互いに一致していました。

ICCの記事によると、T20Iは10月・・の3試合で、会場はすべてラワルピンディ・クリケット・スタジアムです。10月は金曜日なので、AFPの「金曜日開幕」とも合います。T20I代表は15人で、主将はファルハンです。同じ発表でODI代表16人も公表されました。主将はアフリディで、ババル・アザムとサルマン・アリ・アガの名前もODI代表に入っています。3か国シリーズは全7試合で、10月18・20・がラワルピンディ、25・27・との決勝がラホールのカダフィ・スタジアムで行われます。ICCの記事は選手の一覧を示すだけで、誰が外れたかには触れていません。リズワンはT20IとODIのどちらの名簿にも入っていません。

スリランカ代表は、SLCが10月に発表しました。スリランカの放送局Ada Derana英字紙The Morningによると、主将はクサル・メンディスで、15人のうちドゥシュマンタ・チャミーラは「コンディション次第」という条件付きです。2媒体とも、ハサランガとアサランカには触れていません。外れた理由も書かれていません。

ハサランガの通算記録は、集計元であるESPNcricinfoの記録ページにアクセスを拒否され、確認できませんでした。代わりに、Cricinfoを出典とするWikipediaの「T20I記録一覧」見ました。男子T20I通算ウィケットの上位は、ラシド・カーン197、アディル・ラシド171、イシュ・ソーディ165、ティム・サウジー164で、ハサランガが163で続きます。ハサランガの欄の数値は98で、これは試合数ではなく「投球したイニング数」です。

報道との差分

AFPの記事と原典を4つの点で並べます。

項目 AFP 原典側
アザムとアフリディ 「スター抜き」の新体制 2人とも同じ発表でODI代表16人に入っている
アガ 代表にいない T20I代表にはいないが、ODI代表に入っている
ハサランガ 本文は「外れた」、メンディスの発言では「まだ負傷中」 SLC発表の報道は理由に触れていない
ハサランガの記録 101試合で163、5位タイ 163ウィケット、投球98イニング、一覧では単独5位

試合日程会場は、すべての資料で一致していました。数字の食い違いは日程ではなく、記録と選手の扱いの部分に集中しています。

なぜそうなったか

1つ目は、記事が書かれた時点と目的の違いです。PCBの発表は2つの大会の代表をまとめて出した名簿で、誰が入ったかを示すことが目的です。AFPの記事は、T20I開幕前日に主将が会見した内容を伝える記事です。会見記事は、その大会の代表だけを母数にして「誰がいないか」を軸に書くことになります。その結果、アザムやアフリディが後のODIシリーズにいることは、アフリディについて一文添えられただけになりました。アザムがODI代表に入っていることは書かれていません。AFP本文は、アザムについてT20Iでの不調と2月のT20ワールドカップでの先発落ちに触れています。その記述は、T20Iという枠の中での説明として読む必要があります。

2つ目は、「外れた」という言葉の幅です。英語の“dropped”は通常「選考で外された」を意味します。一方、同じ記事で引用されたメンディスの発言は負傷を理由に挙げています。SLCの発表を伝えた2媒体は理由に触れていないため、一次側の資料からは選考による除外か負傷による離脱かを区別できません。AFPの記事の中で、地の文と引用部分の説明が揃っていない状態です。

3つ目は記録の数え方です。Cricinfo系の記録表は「試合数」と「投球したイニング数」を別の列にしています。AFPの「101試合」とWikipediaの「98」は,数えている単位が違う可能性があります。ハサランガが出場したのに投球しなかった試合が3試合あれば,2つの数字は両立します。「5位タイ」については、参照した一覧にハサランガと同じ163の選手が見当たりませんでした。一覧の更新日以降に記録が動いた可能性もあり、どちらが正しいかは資料からは確認できません。

分からなかったこと

PCBとSLCの公式サイトにある発表文の原文は取得できず、ICCや各国メディアの転載で代わりにしました。ハサランガの通算記録は、集計元のESPNcricinfoがアクセスを拒否したため、試合数101と投球イニング数98が同じ期間の数字かどうかを確かめられていません。同じ理由で、「5位タイ」の相手が誰かも特定できていません。ハサランガが外れた理由をSLCが公式に説明しているかどうか、リズワンが両方の代表から外れた理由をPCBが説明しているかどうかも、確認できる資料がありませんでした。第1戦結果は、この記事の題材の範囲外なので扱っていません。

出典

  • ICC「Pakistan name squads for home white-ball assignments」10月 https://www.icc-cricket.com/news/pakistan-name-squads-for-home-white-ball-assignments
  • The News「Pakistan squads announced for Sri Lanka T20Is, ODI tri-series」10月 https://www.thenews.pk/story/1441174-pakistan-squads-announced-for-sri-lanka-t20is-odi-tri-series
  • Radio Pakistan「PCB announces squads for Sri Lanka T20Is, ODI tri-series」10月 https://radio.gov.pk//pcb-announces-squads-for-sri-lanka-t20is-odi-tri-series
  • Ada Derana「Sri Lanka names 15-member T20I squad for Pakistan series」10月 https://adaderana.lk/news/cmuqq7bfa0000356qrxcsk4ly
  • The Morning「Lanka names 15-member T20I squad for Pak series」10月 https://www.themorning.lk/articles/g2IVoQRLt1JwloVMBZS6
  • Wikipedia「List of Twenty20 International records」9月更新 https://en.wikipedia.org/wiki/List_of_Twenty20_International_records
  • France 24「Farhan hopes Pakistan’s new combination takes off in Sri Lanka T20Is」10月 https://www.france24.com/en/live-news/20261008-farhan-hopes-pakistan-s-new-combination-takes-off-in-sri-lanka-t20is
※本記事は報道・公開情報をもとに作成した速報であり、内容が後に更新・訂正される場合があります。最新かつ正確な情報は、一次情報や公式発表をご確認ください。

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