2026年9月25日、NTTドコモが12月1日からの料金改定を発表しました。
時事ドットコムの見出しは「最大550円」の値上げです。
一方、ahamo(アハモ)の月額は税込165円上がります。
ドコモの報道発表資料と報道各社の見出しを並べると、同じ発表でも「値上げ」と「リニューアル」のどちらを前に出すかで伝わり方が変わっています。
この記事では、見出しに入った数字と落ちた数字を資料で確かめます。
何が報じられたか
時事ドットコムは2026年9月25日付で「ドコモ、12月に料金値上げ 50超のプラン、最大550円」という見出しの記事を出しました。
記事に書かれている主な数字は次のとおりです。
- 値上げ幅は月額110〜550円、適用は12月1日から
- 対象は50を超えるプラン
- 既存プランを含む値上げは同社として初めて。
契約件数ベースで3000万を超え、全体の約75%に影響
- 主力プラン「eximo(エクシモ)」は割引前の最低価格が4565円から5115円に上がる
- ahamoはデータ容量が30GBから40GBに増え、月額が2970円から3135円になる
- 理由は電気代・人件費の上昇と設備投資の増加
同じ日、BUSINESS NETWORKは記者会見を取り上げ、「ahamoは150円値上げ」と見出しに入れました。
記事にはドコモの齋藤武副社長の発言として、物価や人件費の上昇に加え、AIの普及やセキュリティ対策、6Gなどへの投資を理由に挙げた言葉が載っています。
原典に当たる
一次資料はドコモの報道発表「『ahamo』をリニューアル、『ドコモ mini2』『ドコモ MAX 60歳以上割』の提供を開始、および一部料金プランの月額料金を改定」(2026年9月25日)です。
タイトルに並んでいる順番は、ahamoのリニューアル、新プラン2つ、最後に料金改定です。
値上げの本体は別紙4「新規受付終了済みの料金プランなどの月額料金の改定」にあります。
理由は「物価や人件費の上昇など事業環境が変化する中で」と書かれています。
対象は「新規受付終了済みの料金プランを中心に」とされ、今契約している人も改定日以降の利用分から対象になると明記されています。
改定額の表は次のとおりです(税抜/税込)。
- eximo、eximoポイ活など:+500円/+550円
- 5Gギガホ、ギガホ、irumo(3GB・6GB・9GB)など:+300円/+330円
- 5Gギガライト、ギガライト、カケホーダイプラン、Xiデータプランなど:+200円/+220円
- ahamo:+150円/+165円
- irumo(0.5GB)、はじめてスマホプラン、キッズケータイプランなど:+100円/+110円
ahamoについては別紙1で、40GB・60GB・120GBの3段階制に変えると書かれています。
料金は40GB以下が2850円(税込3135円)、60GB以下が3750円(税込4125円)、120GB以下が4650円(税込5115円)です。
今契約している人にも適用されます。
「大盛りオプション」は11月30日で提供を終え、契約中の人の分は自動で終わります。
ドコモの料金改定案内ページには改定前の料金も載っています。
ahamo 30GBが税込2970円、大盛りオプション(+80GB)が税込1980円で、合わせて110GBが4950円です。
また、11月1日時点で大盛りオプションを契約していないahamo利用者には、40GBで止める「上限設定オプション」が12月1日に自動で設定されます。
この上限はahamoアプリやMy docomoで外せます。
報道との差分
資料と報道を並べると、3つの差があります。
| 論点 |
ドコモの資料 |
時事ドットコム |
BUSINESS NETWORK |
| 前に出したもの |
ahamoのリニューアル(タイトルの先頭) |
値上げ(最大550円) |
ahamoの値上げ |
| ahamoの値上げ額 |
+150円(税込+165円) |
2970円→3135円(税込) |
150円(税抜) |
| 影響の規模 |
記載なし |
3000万超・約75% |
確認できず |
| 理由 |
物価や人件費の上昇 |
電気代・人件費・設備投資 |
コスト上昇+AI・セキュリティ・6Gへの投資 |
1つ目は「最大550円」の中身です。
550円はeximoなどの税込の上げ幅です。
ahamoの利用者には165円、irumo(0.5GB)の利用者には110円が当てはまります。
見出しの数字は一番大きい幅なので、読む人が自分の料金をそのまま当てはめられるわけではありません。
2つ目は、150円と165円のずれです。
資料は税抜と税込を並べて書いており、BUSINESS NETWORKは税抜、時事ドットコムは税込の金額を使っています。
どちらも資料どおりで、違うのは「税込かどうか」だけです。
3つ目は、ahamoの中でも利用量によって上がり方が違う点です。
30GBまでで使っていた人は、165円上がって容量が10GB増えます。
大盛りオプションで110GBを使っていた人は、4950円が120GBで5115円になり、同じく165円上がって10GB増えます。
30GBを少し超えて使っていた人は、これまで1GB追加(税込550円)か大盛りオプションを買う必要がありました。
新しい料金では60GBまで4125円です。
「165円の値上げ」という一言では、この利用量ごとの違いは伝わりません。
なぜそうなったか
見出しの選び方の違いは、資料の構成でおおむね説明できます。
ドコモの資料は、値上げを別紙4にまとめ、タイトルの最後に置いています。
ahamoは別紙1で「リニューアル」として説明され、料金の変化は3段階の料金表で示されています。
上げ幅を1行で出しているのは別紙4の表だけです。
報道する側から見ると、利用者全体に関係する数字は「値上げ幅」になります。
一番大きい550円を見出しに取れば、発表全体を一言で言えます。
時事ドットコムの見出しはこの形です。
一方、BUSINESS NETWORKのように通信業界向けの媒体は、ahamoという個別の商品を軸にしています。
そのため、資料の表記のうち税抜の数字をそのまま使ったと考えられます。
ただし、これは資料からは確認できない推測です。
理由の書き方の違いも、出どころの違いで説明できます。
資料に書かれているのは「物価や人件費の上昇」だけです。
AI・6Gへの投資はBUSINESS NETWORKが記者会見の発言として載せています。
時事ドットコムにある電気代や設備投資は、会見などで補った可能性がありますが、資料からは確認できません。
どちらの記事も、資料の外から材料を足しています。
もう1つ、構造上の要因があります。
3段階制になると、使った分だけ料金が上がる仕組みに変わります。
今の利用者の多くに40GBの上限が自動で設定されるので、12月から勝手に高くなることは避けられます。
ただ、ahamoの設計そのものが「定額の安いプラン」から「使った量で払うプラン」へ近づいた点は、「165円」という値上げ幅の見出しからは見えません。
分からなかったこと
時事ドットコムの「50超のプラン」「3000万超」「約75%」という数字は、ドコモの報道発表と料金改定案内ページのどちらでも確認できませんでした。
会見での説明や別資料に基づく可能性がありますが、原典にはたどり着いていません。
対象プランの正確な数も、資料の表がプランをまとめて書いているため数え切れませんでした。
ahamo利用者のうち大盛りオプション契約者や30〜40GB帯の人がどれくらいいるかは公表されておらず、区分ごとの影響人数は分かりません。
出典
- NTTドコモ 報道発表「『ahamo』をリニューアル、『ドコモ mini2』『ドコモ MAX 60歳以上割』の提供を開始、および一部料金プランの月額料金を改定」2026年9月25日 https://www.docomo.ne.jp/info/news_release/2026/09/25_00.html
- NTTドコモ 料金改定案内ページ(改定前ahamo 30GB税込2970円・大盛りオプション税込1980円の記載)https://www.docomo.ne.jp/charge/plan_renewal2026/
- 時事ドットコム「ドコモ、12月に料金値上げ 50超のプラン、最大550円」2026年9月25日 https://www.jiji.com/jc/article?k=2026092500906&g=eco
- BUSINESS NETWORK「ドコモが料金改定、ahamoは150円値上げ 『コスト上昇と将来投資に対応』と齋藤副社長」2026年9月25日 https://businessnetwork.jp/article/37334/
※本記事は報道・公開情報をもとに作成した速報であり、内容が後に更新・訂正される場合があります。
最新かつ正確な情報は、一次情報や公式発表をご確認ください。
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