google-site-verification=tSMQ4FQhFx1RDsDFsOm7hyKcAa8tJgpr-DpePxzfGzM 京都大賞典「複勝率60%」の母数は10頭だった | 見出しの手前

京都大賞典「複勝率60%」の母数は10頭だった

SPAIA競馬は10月の京都大賞典前に、AIの本命をダノンシーマとする予想記事を出しました。見出しにはあります。この60%が何頭を数えた数字なのかを、記事本文とJRAの公式レース記録で確かめました。

何が報じられたか

記事はSPAIA編集部の署名で、AIが選んだ印は◎ダノンシーマ、◯ヘデントール、▲アクアヴァーナル、△サヴォーナ、×ショウナンラプンタの5頭です。データの根拠として、本文は成績を挙げています。

見出しの数字は本文の次の段落から取られています。前走が重賞だった馬の成績は、3着以内の大半を占めること。そのうち前走で人気以内だった馬は、勝率30.0%、複勝率60.0%であること。本命のダノンシーマは前走の新潟記念で人気・3着で、この条件に当てはまる馬として書かれています。

AIの仕組みは、過去数十年分のレース結果・競走馬・騎手・調教師・コース・タイム・天気・馬場状態などを自動で学習して予想する、と説明されています。60%というデータはAIの出力ではなく、記事が根拠として添えた過去の集計です。見出しの2つの要素は別々の出どころから来ています。

原典に当たる

まずどの年かを、JRAのレース結果ページで確認しました。からののうち、阪神競馬場で行われています。京都競馬場の改修工事に伴う代替開催です。残りのとのが京都開催で、記事の一致します。なお、記事はどの年からかを書いていません。と読むと数が合う、というところまでが確認できた範囲です。

次に、このの出走頭数をJRAの成績表から数えました。10頭、15頭、11頭、17頭、17頭、14頭、11頭、18頭で、合計113頭です。とに競走中止が各1頭あり、この2頭も113頭に入れています。で3着以内の枠は24あります。

この113頭を母数とすると、記事の数字の位置づけは次のようになります。前走重賞組は7+7+6+69で89頭です。残りの24頭3着以内に入った計算になります。ただし、記事が競走中止の馬を母数に入れているかは書かれていないため、この24頭とは記事の数字からの逆算です。

報道との差分

見出しはだけを前に出しています。本文の数字と、そこから計算した比率を並べると次のとおりです。

区分 着別度数 頭数 複勝率
の全出走馬 3着以内 113 21.2%
前走重賞組 89 22.5%
うち前走人気以内 10 60.0%
うち前走人気以下 79 17.7%

見出しで省かれたのは母数です。60%は10頭のうち6頭が3着以内に入ったという意味で、間で条件に当てはまった馬は年平均1.25頭でした。もう1頭3着を外していれば50%、もう1頭入っていれば70%になります。1頭で10ポイント動く数字です。

10頭中6頭という結果から、その条件の馬の複勝率がどの範囲にあるかを、二項分布のウィルソン法で95%信頼区間として計算すると、約です。重賞組全体区間は約なので、両者は重なりません。前走で上位人気だった馬が好走しやすい傾向そのものは、この数字からも読み取れます。一方で、いう一点の値を、次の1頭が3着以内に入る見込みとしてそのまま受け取るのは、母数に対して精度を求めすぎです。

なぜそうなったか

この差は、レース前のデータ記事の作りから説明できます。1つ目は、1レースは年にしかないことです。同じコース・同じレースに絞るほど条件の当てはまりは良くなりますが、で、京都に限ればしか標本がありません。代替開催のを除いたのは、阪神と京都ではコースが違うので筋の通った処理です。その代わりに母数はさらに減ります。

2つ目は、条件を重ねると率が上がり、頭数が減ることです。前走重賞という条件で89頭、人気以内を足すと10頭になります。見出しには最も率の高い組み合わせが選ばれやすく、その組み合わせはたいてい最も頭数が少ない、という関係があります。本文では着別度数併記されていて、読者が母数を確かめる材料は記事の中にあります。見出しの字数の中で落ちたのはこの括弧の部分です。

3つ目は、条件と本命が対応する作りです。本命のダノンシーマが前走人気なので、データの条件はこの馬に当てはまる形で示されています。資料からは、条件を先に決めてから本命を選んだのか、本命に合う条件を後から探したのかは確認できません。ただ、条件を後から選べる場合は、小さな母数で高い率が出やすくなります。これは統計一般の性質で、この記事の意図を指したものではありません。

分からなかったこと

前走人気以内だった10頭が、それぞれ何年のどの馬かは、記事に一覧がなく特定できていません。この10頭が京都大賞典当日に何番人気だったかも分からず、当日のオッズの段階で既に人気を集めていたのかどうかは検証できていません。記事の公開日時はいう相対表記で、正確な日付は確認できませんでした。ダノンシーマの通算成績など記事中のその他の数字は、今回の確認範囲外です。JRA公式データ分析ページは取得時にアクセスが拒否され、照合できませんでした。

出典

  • JRA 京都大賞典 レース結果 https://www.jra.go.jp/datafile/seiseki/replay/2016/091.html
  • JRA 京都大賞典 レース結果 https://www.jra.go.jp/datafile/seiseki/replay/2017/090.html
  • JRA 京都大賞典 レース結果 https://www.jra.go.jp/datafile/seiseki/replay/2018/091.html
  • JRA 京都大賞典 レース結果 https://www.jra.go.jp/datafile/seiseki/replay/2019/091.html
  • JRA 京都大賞典 レース結果 https://www.jra.go.jp/datafile/seiseki/replay/2020/091.html
  • JRA 京都大賞典 レース結果 https://www.jra.go.jp/datafile/seiseki/replay/2021/091.html
  • JRA 京都大賞典 レース結果 https://www.jra.go.jp/datafile/seiseki/replay/2022/091.html
  • JRA 京都大賞典 レース結果 https://www.jra.go.jp/datafile/seiseki/replay/2023/091.html
  • JRA 京都大賞典 レース結果 https://www.jra.go.jp/datafile/seiseki/replay/2024/091.html
  • JRA 京都大賞典 レース結果 https://www.jra.go.jp/datafile/seiseki/replay/2025/091.html
  • SPAIA競馬「AIの本命はダノンシーマ 複勝率60%」SPAIA編集部 https://spaia-keiba.com/news/detail/36141
※本記事は報道・公開情報をもとに作成した速報であり、内容が後に更新・訂正される場合があります。最新かつ正確な情報は、一次情報や公式発表をご確認ください。

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