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海天気:関東の高波と台風29号、気象庁データで位置を確かめた

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。10月夜に配信された台風情報の見出しは、この2つをにまとめています。読み手は受け取りやすい並びです。この記事では、気象庁が公開している台風の諸元データと沿岸の波予報を見出しの横に並べました。29号がどこにいて、関東の波予報が何メートルだったかを確かめます。

何が報じられたか

題材にしたのは、BSN新潟放送が10月にYahoo!ニュースへ配信した記事です。見出しは「29号は発達へ 晴れても関東甲信で高波に警戒 週末は九州などの雨に注意」です。

本文は、気象庁の予報を根拠として何度か引いています。台風29号についてはとだけ書き、中心気圧・最大風速・現在位置の数値は載せていません。関東甲信については注意を呼びかけていますが、波の高さを何メートルとは書いていません。週末については、からかけて高気圧が日本付近から日本のはるか東へ移る見込みだと書いています。

つまり記事は、気象庁の予報を出どころに挙げながら、数値を1つも示さずに同じ見出しに入れた形です。

原典に当たる

気象庁は防災情報サイトで、台風の諸元各府県の波予報を機械で読める形式でも公開しています。ここでは10月早朝に発表された版を取得しました。記事が引いた発表の版とは約の差があり、その間に数値が更新されている可能性がある点は先に断っておきます。

まず台風です。10月早朝の時点で、気象庁が情報を出していた台風は3つありました。

  • 台風27号:10月の実況で。中心気圧970hPa、最大風速/s、北北東へ進んでいます。後の予報は温帯低気圧に変わる見込みです。
  • 台風28号:同時刻の実況で。970hPa、最大風速/s、西へ進んでいます。後に達し、後には温帯低気圧になる予報です。
  • 台風29号:同時刻の実況で、北緯14.8度・東経164.6度。994hPa、最大風速/s、西北西へ時速10kmで進んでいます。予報では後に975hPa・/s、後に950hPa・/s、後入ります。

部分は、この予報と一致します。994hPaからで950hPaまで下がり、最大風速は/sから/sへ上がる見通しだからです。一方で10月の時点の29号は、日本の南東のはるか遠く、マーシャル諸島付近にいます。

次に波です。気象庁が10月に発表した府県天気予報には、地域ごとのの波の高さが入っています。

  • 茨城県 北部・南部: 後 、うねりを伴う
  • 千葉県 北東部・南部: 後 、うねりを伴う
  • 千葉県 北西部: 後
  • 東京地方: 後
  • 神奈川県 東部: 後 、うねりを伴う/西部: 後 、うねりを伴う
  • 伊豆諸島北部: 後 、うねりを伴う/伊豆諸島南部: 後 、うねりを伴う

の予報は、茨城県と千葉県の外洋側が 後 、東京地方と千葉県北西部がです。同じ時刻に出た東京都の天気概況、関東甲信地方は高気圧に緩やかに覆われているとしています。の東京地方は曇り時々晴れ、は晴れの見込みです。

報道との差分

見出しと原データを、選択・省略・強調の3点で並べます。

観点 見出し・本文 気象庁データ
選択 台風は29号だけを名指し 27号・28号・29号の3つに情報が出ている
省略 29号の位置・気圧・風速、波の高さの数値なし 29号はマーシャル諸島、994hPa。茨城・千葉の外洋側は
強調 1行に並べる 29号が小笠原近海に入るのは後の予報
地域差 まとめて表記 外洋側、東京湾側。同じ千葉県でもの差

一番大きい差は2点です。1つは、見出しにある関係を、データからは結べないことです。の関東の波を何が起こしているのかは、気象庁の府県天気予報にも東京都の天気概況にも書かれていません。時点の29号はマーシャル諸島付近にいて、小笠原近海に入るのは後の予報です。29号がの関東の波の主な原因だと読むことは、取得した資料からは支持できません。どの台風や気圧配置が波を起こしているのかも、ここで取得した資料からは確認できませんでした。

もう1つはいう範囲です。波の予報は茨城・千葉の外洋側でですが、東京湾内の東京地方と千葉県北西部はです。海に面していない長野県・山梨県・埼玉県・栃木県・群馬県には、そもそも波の予報がありません。釣りやサーフィン、船の予定を立てる人にとって意味があるのは、見出しのより地域ごとの数字の方です。

なぜそうなったか

意図を推し量るのではなく、資料と媒体のつくりから説明できる要因を挙げます。

1つめは、台風番号が見出しの目印として働くことです。台風情報の記事は号数で検索され、号数で読まれます。同時に3つの台風が出ていると、最新の番号で発達が予想されている29号を見出しの頭に置くのは、目印として分かりやすい選び方です。ただしその結果、すでに日本の東にいて温帯低気圧に変わりつつある27号や、西へ進む28号が見出しから消えます。

2つめは、の記事に複数の話題をまとめるいう形式です。この記事の見出しには、29号の今後・翌日の関東の海・週末の九州の雨という、時期も地域も違う3つの話題が入っています。1行に詰めると、並べただけの話題同士に因果関係があるように読めてしまいます。見出しの文言そのものはとは書いていません。読み手が並びから関係を補う構造になっています。

3つめは、配信元の地域と予報の時刻です。配信元は新潟の放送局で、記事が根拠にしたのは発表の予報です。この記事で比べた気象庁データは早朝の版なので、数値の差の一部は更新のタイミングから来ている可能性があります。記事に数値が載っていないため、の時点で記事がどの数字を見ていたのかは比べられません。

分からなかったこと

関東のの高波が、どの台風やどの気圧配置のうねりによるものかは、取得した気象庁の資料からは確認できませんでした。気象庁の府県気象情報、今回取得できていません。各地の警報・注意報の発表状況も、取得した警報データが最新の版でなかったため書いていません。記事が根拠にした発表の台風諸元は取得できず、早朝の版との数値差は出せていません。比較した報道はこのだけで、他社の見出しとは比べていません。

出典

  • 気象庁 台風第29号諸元・予報 10月発表 https://www.jma.go.jp/bosai/typhoon/data/TC2634/specifications.json
  • 気象庁 台風第28号諸元・予報 10月発表 https://www.jma.go.jp/bosai/typhoon/data/TC2635/specifications.json
  • 気象庁 台風第27号諸元・予報 10月発表 https://www.jma.go.jp/bosai/typhoon/data/TC2633/specifications.json
  • 気象庁 府県天気予報10月発表 https://www.jma.go.jp/bosai/forecast/data/forecast/130000.json
  • 気象庁 府県天気予報10月発表 https://www.jma.go.jp/bosai/forecast/data/forecast/080000.json
  • 気象庁 府県天気予報10月発表 https://www.jma.go.jp/bosai/forecast/data/forecast/120000.json
  • 気象庁 府県天気予報10月発表 https://www.jma.go.jp/bosai/forecast/data/forecast/140000.json
  • 気象庁 天気概況10月発表 https://www.jma.go.jp/bosai/forecast/data/overview_forecast/130000.json
  • 気象庁 台風情報 https://www.jma.go.jp/bosai/map.html#contents=typhoon
  • BSN新潟放送「29号は発達へ 晴れても関東甲信で高波に警戒 週末は九州などの雨に注意」10月配信 https://news.yahoo.co.jp/articles/cccac67f562758f62c3f8d104b9f936bba9d39db
※本記事は報道・公開情報をもとに作成した速報であり、内容が後に更新・訂正される場合があります。最新かつ正確な情報は、一次情報や公式発表をご確認ください。

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