イ・スマン氏がプロデュースするA2O SOULとA2O LITEが同じ日にデビューしました。
発表資料で最も目立つ数字は、A2O LITEのデビュー曲「NEON」が「配信開始から29時間でMelon TOP100の1位」になったというものです。
本稿ではこの数字と、あわせて並べられた海外チャートの実績を、集計元が公開している基準と照らし合わせます。
そのうえで、発表資料と報道が何を選び、何を書かなかったかを整理します。
何が報じられたか
発表元は株式会社A2O Entertainment Japanです。
2026年10月16日21時08分にPR TIMESで配信したプレスリリースの見出しは「A2O Entertainmentのキープロデューサー兼ビジョナリーリーダー、イ・スマンが手がけるA2O SOUL・A2O LITEが同日デビュー!」でした。
リリースによると、両グループは10月12日にKINTEXでショーケース「WELCOME TO SOULITE From A2O SOUL A2O LITE」を開き、10月13日午後6時(韓国時間)に音源を配信しました。
A2O SOULの曲は「SUPERSTAR」、A2O LITEの曲は「NEON」です。
チャートの実績として、リリースは次の4点を挙げています。
- NEONは10月14日午後11時にMelonのメインチャート「TOP100」で1位を取り、16日18時の時点でも1位を保っている
- Apple Music韓国、iTunesイタリア、マレーシアなど計8つの国・地域のチャートで1位
- iTunesでは11、Apple Musicでは30の国・地域でチャート入り
- A2O SOULはルクセンブルクのiTunes K-POPチャートで1位
韓国芸能ニュースの英語媒体Soompiは、10月14日に「デビューの翌日にMelon Top 100で1位」という趣旨の見出しで報じました。
記事ではA2O LITEを9人組、A2O SOULを15人組としています。
原典に当たる
「29時間」という数字は、二つの時刻の差から計算できます。
配信開始が10月13日18時、1位の獲得が10月14日23時なので、差はちょうど29時間です。
リリースとSoompiが書いている時刻は一致していて、計算の上では食い違いがありません。
次に、その29時間後に1位になった「TOP100」が何を数えているかを確かめます。
Melonのチャートページには、集計基準が次のように書かれています。
- 直近24時間の利用量と直近1時間の利用量を反映する
- 利用量はストリーミング40%とダウンロード60%で計算する
- 1時間ごとに更新する
- 深夜から早朝(1時〜7時)は直近24時間の利用量を100%反映する
- 1時と8時のチャートでは順位の変動を表示しない
ここから分かるのは、TOP100の1位が「その1時間の時点の順位」だという点です。
累計の再生回数でも、1日単位の集計でもありません。
ひと区切りの時間での順位なので、1位になった時刻を「10月14日午後11時」と時刻で書くのはこの仕組みに合っています。
また、直近1時間の利用量が順位に入るので、集計の窓が短いほど一時的な利用の集中が順位に反映されやすい作りです。
これは計算式から言えることで、NEONの利用に偏りがあったと言うものではありません。
逆に1時〜7時は24時間分だけで決まるため、夜中の短い集中は反映されにくくなります。
本稿の取材時点でMelonのページを見ると、TOP100の1位にはA2O・A2O LITEの「NEON」が表示されていました。
海外チャートの数字は、これと同じ方法では確かめられません。
リリースはApple MusicとiTunesを国・地域別に数えていますが、それぞれの国のチャートの集計方法を説明した公式資料に、本稿ではたどり着けませんでした。
少なくとも、Apple Musicは聴かれた量、iTunesは購入の量と、測っているものが違うサービスです。
報道との差分
リリース、Soompiの見出し、原典のMelonチャートを、何を選び、何を省き、何を強調したかで比べます。
| 項目 |
PR TIMESリリース(10/16) |
Soompi(10/14) |
Melonの集計基準 |
| 前に出した点 |
2グループ同日デビュー、イ・スマン氏の肩書き |
デビューの翌日にTOP100で1位 |
直近24時間と直近1時間の利用量を合わせた毎時の順位 |
| 時間の書き方 |
29時間、16日18時まで1位を維持 |
翌日(One Day After) |
毎時更新。 1時〜7時は24時間分のみ |
| A2O SOULの扱い |
iTunes K-POPチャートの1位などを併記 |
見出しには出ていない |
該当なし |
| 海外の実績 |
1位が8、チャート入りがiTunes 11・Apple Music 30の国・地域 |
本文で確認できず |
該当なし |
| 書かれていない点 |
各チャートの集計方法、何位を何時間保ったか |
集計方法 |
該当なし |
差は大きく3つあります。
1つめは、時間の単位です。
「翌日」も「29時間」も同じ出来事を指していますが、「29時間」のほうが短く速い印象を与えます。
ただ、どちらも元の時刻から計算でき、誤りではありません。
2つめは、「8つの国・地域で1位」のまとめ方です。
リリースの文では、Apple Music韓国とiTunesイタリア・マレーシアなど、別のサービスのチャートが一つの数にまとめられています。
ストリーミングと購入という違う指標を足した数なので、「8つの市場で最も聴かれた」という意味にはなりません。
3つめは、チャートの種類です。
A2O SOULの実績は「iTunes K-POPチャート」と書かれていて、ジャンル別のチャートだと分かります。
一方でNEONの8つの1位には、総合チャートかジャンル別チャートかの区別が書かれていません。
なぜそうなったか
リリースと報道で前に出す点が違う理由は、それぞれの資料の役割から説明できます。
プレスリリースは、発表した会社が実績をまとめて伝える文書です。
複数のサービスにまたがる実績を一つの数にまとめると、1文で規模を伝えられます。
今回は日本法人の発表なので、見出しで2グループが同じ日にデビューしたことと、プロデューサーの名前を前に出すのは、日本の読者にとってのニュースの柱を先に置く作りだと読めます。
これは資料の構成から言えることで、発表元の狙いを確かめたわけではありません。
Soompiは、配信の翌日に記事を出しています。
その時点で確定していたのは、Melonで1位になったという1つの出来事でした。
16日時点の「1位を維持」や海外チャートの集計は後から出た情報なので、見出しが1つの事実にしぼられているのは公開日時の差で説明がつきます。
どちらの資料も、各チャートが何を数えているかは書いていません。
プレスリリースや速報記事は結果を伝える文書で、方法の説明は普通ここに入れません。
ただ、集計の方法を知らないと「1位」の重みは比べられません。
Melonの毎時1位と、ある国のiTunesのジャンル別1位では、母数も指標も違います。
読む側がこの差を埋めるには、Melonのように集計元が公開している基準に戻るのが確実な方法です。
分からなかったこと
Melon TOP100の計算式のうち、直近24時間と直近1時間をどの割合で組み合わせるかは、Melonのチャートページから読み取れた範囲では確認できませんでした。
1つのIDからの再生を何回まで数えるかも分かっていません。
Apple MusicとiTunesについては、国別チャートの集計方法を説明した公式資料を見つけられず、「8」「11」「30」が総合チャートだけを数えたものか、ジャンル別を含むのかも確かめられませんでした。
集計した時点もリリースには書かれていません。
A2O SOULのメンバー数はSoompiの記事にしか見当たらず、発表元の資料では確認できていません。
出典
- 株式会社A2O Entertainment Japan「A2O Entertainmentのキープロデューサー兼ビジョナリーリーダー、イ・スマンが手がけるA2O SOUL・A2O LITEが同日デビュー!」PR TIMES、2026年10月16日 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000004.000192898.html
- Melon「TOP100」チャートページ(集計基準の記載) 2026年10月17日閲覧 https://www.melon.com/chart/index.htm
- Soompi「Lee Soo Man’s New Group A2O LITE Hits No. 1 On Melon Top 100 Just One Day After Debut」2026年10月14日 https://www.soompi.com/article/1878286wpp/lee-soo-mans-new-group-a2o-lite-hits-no-1-on-melon-top-100-just-one-day-after-debut
※本記事は報道・公開情報をもとに作成した速報であり、内容が後に更新・訂正される場合があります。
最新かつ正確な情報は、一次情報や公式発表をご確認ください。
コメント