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台風25号「大型」は強さではない 関東接近報道を原典と照合

A picturesque curved road with double yellow lines, surrounded by lush greenery and overlooking the ocean in New Taipei City, Taiwan. 社会

9月夕方、関東に接近すると報じられました。見出しに入った、どれも気象庁が決めた定義のある言葉です。本稿では、気象庁が公開している台風25号の数値データと用語の定義を並べ、見出しに何が選ばれ、何が表に出なかったかを整理します。数値はすべて、9月に気象庁が発表した情報に基づきます。

何が報じられたか

日テレNEWS NNNは9月、Yahoo!ニュースに記事を配信しました。見出しは「大型の台風25号が北上 あす以降関東に接近…厳重警戒を」です。

記事の内容は次の3点です。台風25号は北上していること。以降は伊豆諸島や関東などに近づくこと。伊豆諸島ではに予想されていること。あわせて、東海から東北の太平洋側では台風が近づく前から大雨のおそれがあるとして、厳重な警戒を呼びかけています。

ただし、記事は数字の発表元を書いていません。中心気圧や暴風域の広さといった台風本体の数値も載っていません。

原典に当たる

気象庁の台風情報うち、9月発表分では、時点の実況値が次のように示されています。

  • 位置:北緯26.9度、東経139.1度
  • 進み方:北西へゆっくり
  • 中心気圧:975hPa
  • 中心付近の最大風速:/s、最大瞬間風速:/s
  • 暴風域:全域110km
  • 強風域:北側750km、南側390km
  • 大きさの階級:大型。強さの階級:なし

用語の定義は、気象庁の解説ページあります。強さの階級は最大風速決まります。/s以上/s未満が、/s以上/s未満が、/s以上がです。大きさの階級は、風速/s以上の風が吹く範囲半径で決まります。500km以上800km未満が、800km以上がです。暴風域は、風速/s以上の風が吹いているか、吹く可能性がある範囲を指します。

同じ発表に含まれる予報値は次のとおりです。

  • :日本の南、975hPa、最大風速/s、暴風域155km
  • :日本の南、975hPa、最大風速/s、暴風域175km
  • :八丈島の西約150km、960hPa、最大風速/s、暴風域250km、予報円の半径100km
  • :日本の東、970hPa、最大風速/s、北東へ時速45km、予報円の半径220km
  • :日本のはるか東、986hPa、最大風速/s

比べるための基準として、気象庁の台風の平年値では、関東甲信地方への接近数は年間3.3個です。このページでは、定義しています。

報道との差分

見出しとリードに使われた言葉を、気象庁の資料と並べます。

  • :気象庁のの実況でもです。ただし、これは強風域の広さを表す区分で、風の強さを表すものではありません。北側の強風域は750kmあり、基準である800kmに近い一方、南側は390kmです。見出しに出たのは大きさだけで、北側と南側の偏りは記事に書かれていません。
  • :の実況では、最大風速/sで強さの階級は付いていません。基準は/s以上です。気象庁の予報で付くのはの予報時点、の予報はまだ/sです。記事は書いていますが、予報の数値では、の段階は基準に届かない時間帯を含みます。
  • :気象庁の予報文では、の位置を、を書いています。中心が関東本土を通るという記述は、予報のどの時点にもありません。一方で予報円の半径は、で100km、で220kmあり、進路には幅があります。
  • :記事では伊豆諸島のの予想値です。気象庁の台風情報で示された中心付近の最大瞬間風速は/sで、こちらは台風本体の値です。この2つは対象が違います。記事の30メートルがどの発表から来たのかは、記事に書かれていません。

落ちた情報は3つあります。中心気圧、暴風域の広がり、そして以降は北東へ時速45kmで離れていくという予報です。

なぜそうなったか

この記事は、八丈島からの中継に合わせて配信された文章です。中継の目的は、これから影響を受ける地域の人に警戒を促すことです。資料の構造から見ると、次の3つの要因でこの形になったと説明できます。

1つめは、警戒の呼びかけに向く言葉が優先されることです。、今の状態と予報の中で最も強い部分を1つの文にまとめた言い方です。実況の値、予報の値で、見出しとリードでは時点の違う2つが並んでいます。これは実況と予報を同じ時間軸でまとめる中継の文章の特徴で、数値を取り違えたわけではありません。予報でなる時点は資料にあります。

2つめは、いう言葉の幅です。気象庁の統計上の、中心が気象官署から300km以内に入ることを指します。一方、報道の日常語として使われていて、この定義を指しているかどうかは記事からは分かりません。今回の予報では、中心は伊豆諸島の近くを北上して東へ抜ける進路です。関東本土への直撃を意味する言葉ではない点は、読む側が補う必要があります。

3つめは、紙幅と読者の関心です。中心気圧や予報円の半径は専門的な値で、短い中継記事では省かれやすい項目です。気象庁の予報では、大雨の範囲が中心の進路よりずっと広く、東海から東北の太平洋側に及ぶとされています。このため、記事が中心の位置より雨と風の呼びかけを前に出したのは、資料の中身とも合っています。

見出しの誤りを指摘できる箇所はありません。差分は、、、いう、定義の違う言葉が1行に並んだところから生まれています。

分からなかったこと

記事にある伊豆諸島の出典は確認できませんでした。気象庁の府県気象情報あたる可能性がありますが、本稿では原文にたどり着いていません。また、比べた報道は日テレNEWS NNNのだけです。他社の見出しとの比較はできていません。

気象庁の台風情報は数時間ごとに更新されます。本稿の数値は9月発表分で、記事の最終更新までに新しい発表があったかどうかは確認していません。予報はこの先変わる可能性があります。最新の情報は気象庁で確認してください。

出典

  • 気象庁台風第25号実況・予報データ、9月発表 https://www.jma.go.jp/bosai/typhoon/ (データ本体 https://www.jma.go.jp/bosai/typhoon/data/TC2630/specifications.json )
  • 気象庁 https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/typhoon/html
  • 気象庁 https://www.data.jma.go.jp/yoho/typhoon/statistics/average/average.html
  • 日テレNEWS NNN「大型の台風25号が北上 あす以降関東に接近…厳重警戒を」9月配信 https://news.yahoo.co.jp/articles/49c6aa4ca009d88af7dd8742e648f0ec86df378f
※本記事は報道・公開情報をもとに作成した速報であり、内容が後に更新・訂正される場合があります。最新かつ正確な情報は、一次情報や公式発表をご確認ください。

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